山人ノマドの活動報告

東京都山岳連盟加盟の山岳会、山人ノマドのブログです。会員の山行記録、会の行事などを紹介していきます。

小川山 6月3日

6月3日 小川山

メンバー 84.O原.バンブ


日帰りで小川山に行った。今回はクラックメイン。


朝一でマラ岩、妹岩方面。はじめに「屋根の上のタジヤン」をアップで登った。朝一のスラブで目が覚めた。

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アップ終了後、妹岩に行き「龍の子太郎」1p目を登った。トップロープを張りO原、バンブ共にノーテン。次はリードできそうだった。


今日の84の目的「カサブランカ」は人気ルートで7人待ち。その間にバンブが「ムードはいい線」をオンサイトをやると言うので、ビレイした。オンサイトは逃したが、トップアウト。次回の宿題となった。


まだカサブランカは空かないが、2人にお願いして準場待ちさせてもらった。あと1パーティ。


満を持して自分の番。見上げると今まで登ったクラックの中で一番スケールがあり長い。プロテクションは良いと聞いていたので、「ダメでも突っ込んでフォールしよう...」とプレッシャーを振り払うように言い聞かせ取り付いた。


下部のセクションは緊張が解けなかったが、バンドのところでレストし、覚悟を決めて出発。核心のフレアハンドを慎重にこなし、足ジャムを意識しながら淡々と登った。

気がつくと終了点まであと僅か。レイバック気味に右クラックへ移り、フィンガーを決めて終了点へ。

OSできると思わなかったのでとても嬉しかった。順番待ちのときに見ないようにした甲斐があった。写真がないのが残念。


この時点で16時半だったが、兄岩に移動し、O原の目的の「マガジン」を登りにいった。

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核心でフォール。カムはバッチリきまっていた。そのままトップアウト。次にバンブがフラッシュトライ。慣れないフィンガークラックに苦戦しながらテンション交じりに抜けた。

二人ともあまり普段悔しがらないが、とても悔しがっていた。


時刻は19時半。真っ暗になり久々のヘッデン下山。渡渉も無事にこなし駐車場へ帰り着いた。



アメリカグランドキャニオン・コロラド川下り

4月27日〜5月16日

グランドキャニオン・コロラド川下り Dory ツアー  記:西川

 

 

 

急峻なゴルジュ

クラス5のホワイトウォーター

ラピッドを制覇した歓声とガッツポーズ

オールが川面をかく水の音

乾いた大地にだけ咲く赤いカクタス

 

18億年前と推定される黒い石の上に5億年前の赤い石

消えた13億年は再び海底に沈んだのか

浸食により流されてしまったのか

 

Shooting Star  流れ星

Milky Way  銀河

Fireball  火球

Young Moon  上限の月

Full Moon  満月

 

地球の声を聴きながらの450キロが続く

 

 

グランドキャニオン

アリゾナ州コロラド高原の赤茶けた大地に東西450キロにわたる

谷の深さは髙いところで1700m、平均1200m

その幅、狭い場所で5キロ、広いところは30キロ

その大地の裂け目に流れるThe Colorado River

様々な色調をした断崖が

圧倒的なスケールで迫ってくる

地球誕生46億年前以降の先カンブリア時代からの地層を

目の当りのすることができる

 

 

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グランドキャニオン

アメリカでも最も人気のある国立公園の一つですが、

その渓谷を作ったコロラド川を下るツアーに行ってきました。

一般的に川下りというと、

ラフティングを想像するかと思いますが、

谷底から1000m以上のグランドキャニオンを見上げながら、

Doryという平底の船で、約450キロ、16日間かけて下りました。

(完全なるガイドツアーです)

 

今年2月に行った「THE WAVE」の抽選会場となり、

数日滞在した町Kanabのアウトドアショップで

買い物をしていた時、

今回参加することになったツアー会社のパンフレットを

見つけました。

この川下りツアーは十年以上も前から知っており、

いつか行ってみたいと、長年ずっと思っていました。

そのツアー会社の事務所が、

偶然にも出かけていった町にあったわけです。

早速、事務所に行ってみたところ、

今年2017年、16日間コースの残席数は3席だけで、

来年2018年は完売でした。

迷うことなく、その場で2人分のデポジット1000ドルを支払い

ツアーに申し込んできました。

 

ツアーは、動力のついたラフテイングボート(20人以上乗れる)による8日間のツアーと、

ガイドによる手漕きのDoryツアー16日間にわかれ、

他チャーターツアーや、

下流の一部だけ1日体験下りというものも、

ラスベガス発着のオプショナルツアーとしてでているようです。

 

グランドキャニオンの上流にあるパウエル湖近くから、

下流のミード湖までの約450キロを、

コロラド川沿いで毎日キャンプしながら16日間かけてくだります。

その日数には雨による洪水等、予備日も含まれているようです。

 

 

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手漕きのDory  底は平ら

 

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ラフテイングでの川下り

 

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動力付きのラフドボードによる8日間ツアー

 

 

我々がツアーに持ち込める荷物は、

1人につき70Lのドライバック(ウオータープルーフ)に

9キロまで。

流されることを考慮し、

全ての持ち物は全て各2セット用意します。

ツアー会社側が用意してくれるものは、

テント、マット、シュラフ、簡易ベット、

持物を入れるドライパック(70L)と、

船に乗る時に必要なものだけを入れる小さいドライパック(20L)。

全行程の食事、食器、飲み水、ソフトドリンク。

お酒を飲みたい人は、各自用意しますが、

お酒とカメラの重量は、個人装備の9キロの中には含みません。

私は度数の髙いウィスキーを持っていきました。

 

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テント、簡易ベット、マット、シュラフ、ドライバック

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暑つくなってからはテントなしで寝ました。日本と違い湿度がないので夜露がつくことはありません。

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青いドライバックには、マットとシュラフがはいっている。

赤いドライバックも青いシュラフが入ったドライバックも、私はずっと3番を最後まで使うため、人が使ったものを使うことはない。

 

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私達が今回下った部分のコロラド川は、

全域で国立公園に指定されています。

川沿いには砂場になっているキャンプできる場所が

たくさんあります。

海水浴場の小さいものといった感じで、

Doryの底は平底なので、岸にうちあげ泊めることができます。

 

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トイレに関しては、国立公園内を汚さないためだと思いますが、

小さいほうは全て川で、

また大きいほうは、キャンプサイトに着くたびに設置する

簡易トイレにため、最後までマザーボートで運びます。

鉄でできた簡易トイレ、6つくらいあったと思います。

キャンプサイトになる岸辺はゴミひとつ落ちていませんし、

トイレ問題をかかえる日本の山のようなアンモニア臭などは一切ありませんでした。

 

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この先にトイレが設置される。左側が手洗い、ジップロックに入ったトイレットペーパーがあるということは誰もトイレにいっていないという意味。左奥の小さい青いバケツは、夜、テントでトイレ(小)をこのバケツですませ、朝、川に流す。

 

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設置されたトイレ。

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この鉄製でできたトイレは幾つも用意されており、ツアー最後までためて運ぶ。

 

 

1艇のDoryには、真ん中にガイド、

前と後ろに客が2人づつ乗船します。

5艇のDoryに、1艇のサポート船として

マザーボートが全ての荷物を運びます。

このマザーボートは何か起きた時のレスキューとしての役割も果たします。

マザーボードは手漕きではなく、動力がついており、

カタマラン(双胴船)のような形をしています。

 

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サポート船、マザーボード

 

 

集合はツアー出発前日、

ラスベガスの指定されたホテルにそれぞれチェックインし、

その日の午後8時オリエーテーリング。

翌4月28日、早朝5時ホテルから、バスで約5時間かけ

船に乗り込む上流まで移動しました。

 

4月末とはいえ、ダムから放流された水は最初の頃はまだ冷たく、

川に入り水遊びをするなんて想像もできませんでしたが、

5月に入り、気温も徐々に暑くなり、

毎日水浴びをするようになりました。

キャンプサイトにつくと、皆一斉に川で体も髪洗い、

着ていた服の洗濯もします。

使う洗剤にも規制はありませんでした。

国立公園であるはずのコロラド川で、洗剤を使って髪も体も洗い、

洗濯までし、トイレ(小)も流し放題、

最初から最後までこの部分だけは納得できませんでした。(笑)

 

細かい数字ははっきり確認できていませんが、、、

コロラド川を下れる人数は1日150名、

また1組のツアーは、最大28人まで、

コマーシャル以外には、

ラフティングなどのプライベートの川下りが抽選で1日2組まで。

コロラド川を下れる回数は、1人1回 / 1年間ということで、

私は年内はもう行くことができません。

 

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1日のスケジュールは、

5時半 法螺貝の響きで起床、コーヒータイム。

6時から7時 朝食。

8時頃 出廷。

12時頃 川沿いの岸に上陸しランチ。

3時から4時 キャンプサイトになる岸に上陸。

基本的に1つの岸に1グループで、違うツアーの人達と一緒になることはありません。

上陸後、それぞれ好きな場所にテント場を見つけ、

体を洗ったり、水浴を楽しんだり、砂場で遊んだり、

本を読んだり、夕食までは自由時間となります。

6時半 夕食。

食事はバラエティーに富み、非常に美味しかったです。

食後には毎日必ずダッチオーブンで焼いたデザートもでます。

最後の最後まで新鮮なサラダが提供されました。

マザーボードには大量の氷が積まれ、野菜などは冷蔵で、

肉、魚などの食材は冷凍状態で運んでいるそうです。

 

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このエビ、完全に凍っていました。

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だいたいランチはこんな感じで自分でサンドイッチを作る。

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朝食、夕食はみんなで食べる。

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使い終わった食器は、各自4つのバケツに入った湯で順番に洗う。最初のバケツには洗剤が入っており最後のバケツはすすぐだけになっている。

f:id:yamanomad:20170502083238j:plain最後は網にいれて水を切る。

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マザーボートから荷物を下ろす時も、運ぶ時もファイアーラインでみんなでやる。所謂、火事の時にやるバケツリレー。

 

16日間、毎日川下りをしているわけではなく、

トレッキングや、先住民族インディアンの遺跡めぐり、

また渓谷の中の涼しい場所で、ガイド達による

ギター、バンジョーのコンサートもありました。

たいてい(私の場合)、キャンプ生活の夜といえば、

間違いなくお酒を飲むが当たり前になっていますが、

ある夜は、参加者自ら作った詩を朗読、

またある夜はスタッフによるコロラド川下りの短編を朗読、

こういったカルチャーは日本にはないなと思いました。

 

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山に地図があるように、川にも地図があり、

瀬(ラピッド)の場所とその大きさが書いてあります。

日本では清流から激流までをクラス1から5、

クラス5というと、大雨や台風による洪水で

危険水域になっている場合などにあたります。

アメリカでは1から10にわけてありました。

特に大きな瀬では、安全にそこを下る為、

川底の岩の状態や水量を事前にチェックする

スカウティングをします。

一度船を下り、下る瀬を見てから、

どのコースを下るかガイド達が判断します。

大きな瀬を無事下った時は、右手を高々とあげガッツポーズ、

大きな歓声がわきあがります。

 

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スカウティング

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黄色のオダマキ

 

今回参加した客は我々を含め18人、

我々日本人が2人、ドイツ人女性が1人、

残り15人がアメリカ人。

また18人中、7人がリピーターで、うち1人は7回目の参加。

いかにこのツアーが魅力的なものかわかると思います。

 

瀬(ラピッド)が近づくと、だんだん川の音が大きくなり、

最初はドキドキしながら下っていたラピッドも

だんだんと楽しくなり、ジェットコースターに乗っているような感覚になります。

そんな荒々しい川だけでなく、

鳥のさえずりと、オールがかく水の音しか聞こえない、

眼前にはとても言葉で表現できない地球誕生の痕跡が残る渓谷が

次々と現れ、風が通り抜け、言葉を失うのです。

今こうしていながらも、

Doryに揺られながらの16日間が鮮やかに目に浮かびます。

 

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現地集合、現地解散、日本からの往復を入れると

最低20日間かかります。

なかなか行くタイミングにであえず10年以上

すぎてしまいましたが、

今回、参加できて本当に良かったと思います。

 

 

 

参考までに・・・

https://www.gcex.com

 

日本、ラスベガス 往復航空券 75000円/1人

ツアー代金 4,300 +430(10%チップ)=US$4,730 / 1人

 

 

 

 

 

 

5月例会(城ケ崎クライミング)

5月21日(日)

84(L)・O原(幹事)・bamboo・hurry・bunbun・take-p・anpanmanI田(記)

 

5月例会は「岩トレ」ということで、今回は城ケ崎海岸。

城ケ崎海岸周遊単独アタックのtake-pを除いて某エリアにて早速「岩トレ」を開始。

 

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それぞれの課題を胸に秘めた若手3人に笑顔はない。

 

 

 

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まずは84の華麗なリードで「岩トレ」の幕は開く。

 

 

 

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bambooは果敢なオンサイト・トライ

 

 

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核心部にさしかかるhurry

鍛え上げられたふくらはぎの筋肉は伊達ではない!

 

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hurryのムーブに厳しい眼差しを送る総監督

 

 

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海の向こうにうっすらと浮かぶ島影は伊豆大島

 

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今回、幹事の大任を果たしたO原女史もナイスファイト

 

参加メンバーは各々の課題に真摯に取り組み、空き時間にはボルダートレをしたり84による熱心なカム類の講習を受けたりと充実した時間を過ごす。

 

 

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カムセット講習の様子

 

 

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我々がいかに真剣に岩トレに取り組んだかを如実に物語るワンショット。

岩場に着いていきなり立て続けに3本もビールを空けるような馬鹿者は居なかったことは言うまでもない。