山人ノマドの活動報告

東京都山岳連盟加盟の山岳会、山人ノマドのブログです。会員の山行記録、会の行事などを紹介していきます。

2017年セルフレスキュー訓練

定例になっているレスキュー訓練(今年からセルフレスキュー訓練と名前を変更)を湘南鷹取山で実施しました。天気は今日だけ崩れ傾向8時30分に鷹取山公園東屋に集合。今年の訓練参加者は13名(集会参加者15名)と例年より少なめでした。

例年はロープの結び方を一通り復習してから、システムの復習を斜度のない所でやって、3つから4つの課題をこなしていたわけですが、いつも時間切れと消化不良で、翌年には忘れてしまっている方が多く見受けられましたので、今年は課題を2つに絞り基礎のロープワークは自宅で予習してきてもらう方式で実施しました。

 

課題1はムンターヒッチでの懸垂下降と仮固定のセットと解除。

懸垂前の確認。「こうだったよね?」「違うよこうだよ」

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「その辺で止まって仮固定して下さい!」

いつもは下降器を使っているのでムンターヒッチの懸垂仮固定は1回目は頭でわかっていてもテンションがかかると、「あれあれ?」と言う感じになります。2回目からは皆さんスムーズに出来るようになりました。

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お互いに知恵を出してアドバイスします。

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H山さん最初からいい感じですね。

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課題2は自己脱出。

今回の二つの課題はお互いに関連しているので下から自己脱出方法に加えて懸垂から自己脱出に移行する訓練ももう少しやってみたかった課題です。

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T内さんより三分の一引き上げ方の実際での使い方のレクチャーもあり、それもテンションをかけて少し練習しました。

昼過ぎからポツポツ降り出した雨が急に強くなってきて本降りになったため、少し消化不良でいつもより早めに上がりました。

その後は場所を追浜のお蕎麦屋さんに移し、集会と反省会を実施しました。参加された皆さんお疲れ様でした。

 

T内さんが紹介してくれた斜面を滑落して怪我をした人の引き上げ方三分の一。

①木等を利用してアンカーを作りカラビナを通して一方を自分のハーネスにエイトノットで結び、もう一方のロープで懸垂して負傷者の所へ行く。

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②負傷者のもとに着いたら、安全に立てる場所(又はセルフビレイを取って)で自分の付けていたロープを外し負傷者のハーネス又は簡易ハーネスに付ける。懸垂のロープは外してフリーになる。

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③負傷者に付けたロープの少し上を結んでカラビナを付ける。そこに懸垂して来たロープを通す。そのロープ(写真の一番右)の端を自分に結び付けて、左2本をゴボウでつかんで自分は元の場所に戻る。

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④上に着いたらもう一つアンカーを作り、カラビナを付けて自分に結んできたロープを外して通す。通したロープ引けば三分の一引き上げ方で上げられる。休憩の為に引くロープにはオートブロックをセットしておく。

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ただし崖などの急斜面では一人で引き上げることは無理です。落ちても10m位で止まる40度から50度位の斜面を滑落した人を引き上げるにはかなり簡単で有効です。

参加者の方で全体的に補足等ありましたら追記願います。

                                  記 和田

東北の山

6月8日~11日

八甲田山岩木山早池峰山蔵王(キャンセル)~吾妻山 

L N川(記) F森

 

この先まとまった休みがとれないため、

心残したたままだった東北の山へ。

花の季節には少し早いとわかっていたが

1人、車で出かけることにしていた。

 

1人山行ということに、F森さんが心配してくれ、

日程を調整し、全行程お付き合いしてくれた。 

結果的には、私ひとりでは撤退した山ばかりで

一緒に来ていただき本当に助かった。

 

どの山も、コースタイムもそんなに長いわけではなく、

使える公共機関は利用し、技術的に難しいという山はない。

ただ、梅雨入りしたばかりと、

ちょうど北日本を吹き荒れた局地的強風が重なり

どの山も強い風に悩まされた。

また蔵王は駐車場に停めた車から降りることさえ

躊躇するほど横殴りの雨と強風で断念。

蔵王」は、また再び東北の山へのチャンスにとっておくことに。

 

 

6月8日(木)

午前2時 F森さん宅から東北道をひたすら北上。

途中で確認した岩木山の天気が芳しくないので

急遽、降りる予定の高速IC1つ先の黒石ICでおり、

八甲田山酸ヶ湯温泉へ。

酸ヶ湯公共駐車場を確認し、ひとまず蔦温泉に行く。

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蔦温泉(お勧めです)

 

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東北の緑のカーテン

 

八甲田山

大岳(1858m)を主峰とする10の山々を北八甲田、

櫛ヶ峰をはじめとする6つの山々を南八甲田とし、

八甲田山という山はない。

明治時代の死の行軍八甲田遭難事件はあまりにも有名で、

その碑は八甲田ロープウエイのほうに行くと見ることができる。

 

 

6月9日(金)八甲田山岩木山

午前5時出発。酸ヶ湯から地獄湯の沢、大岳山頂、毛無岱

反時計回りにコースタイムは4時間半。

空を走る雲の流れの早いこと。

大岳山頂では、ほとんど立っていられない。

写真1枚写すのが精いっぱいで退散。

山頂付近はまだまだ雪が残り、竹竿の旗なしでは

登山道は見つけられない。

また、時々湧くガスで数メートル先の赤いテープが探せない。

 

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もともと一人で登ろうと思っていたので

今回はGPSと地図を活用してみようと出発前から用意してあり

これが大活躍。 もちろん地図を読めることが一番だが

登山の危険を考えると使えるものは使いたいと思う。

 

私が今回用意していったものは、

iPhoneのアプリで、おなじみの「山と高原地図」。

アプリは無料だが、地図はその都度購入。

店に置いてある紙の地図と全く同じものが1つ500円で購入できる。

こちらがいいのはコース時間を確認できること。

 

もうひとつのアプリが「FieldAccess2」。

無料だと広告がうっとおしいので、私は800円で購入。

追加の料金はかからない。

こちらは国土地理院の地図なので2万5千分の1まで確認できる。

注意することは、見たい地域の地図を電波の通じるところで

事前にキャッシュに落としておくこと。

そうすれば携帯が圏外でも地図は使える。

このふたつのアプリ、

全くホワイトアウトした時に、ものすごく心強かった。

 

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強風もいつしか止み、

振りかえれば、ガスのかかっていた大岳山頂が見え、

水芭蕉が咲く湿原が広がっていた。

また花本番の季節と

真っ白い冬に山スキーでくることを誓って下山。

 

駐車場着午前10時半。登山靴だけ履きかえて岩木山山麓

津軽岩木スカイラインへ。

岩木山麓から8合目までを結ぶ有料道路で、

全長約10キロ、69のカーブの連続。

JAFモンベルカードの提示で通行料1800円が1600円になる。

8合目からはリフト。

リフトを降りれば、山頂までは30~40分。

津軽富士と言われる山頂からは

日本海を含め360度の展望が望める。

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次回はちゃんと岩木山神社からの百沢コースを登りに、

また山スキーで白い岩木山に会いに来ることを誓った。

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岩木山神社の後ろに津軽富士・岩木山

 

岩木山麓にある獄温泉に入り、

獄きみという甘い甘いトウモロコシを食べ、

青森郷土料理のたけのこいずしを食べ、

明日登る予定の早池峰の登山口駐車場へ・・・。

駐車場着午後8時。

真っ暗な駐車場、誰もいない。

いたのは鹿だけ・・・。

 

 

6月10日(土) 早池峰山 & 蔵王

天気予報は朝9時から雨、風速25mの大荒れ予報。

行くだけ行く。

5時出発。登山口5時半。

樹林帯を超えると、再び強風の洗礼。

頂上直下最後のはしごでは、

飛ばされるのではないかと思うほど。

再び山頂の写真をとり、急ぎ下山。

下山するころには雨が降り出していた。

早池峰山は6月第二日曜が開山日。

明日が開山日だ・・・。

 

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早池峰 樹林帯

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早池峰山

 

今日中に蔵王にいってしまおう・・・。

再び登山靴だけ履きかえて

蔵王エコーラインから蔵王ハイラインで刈田峠へ。

御釜を見る観光客で賑わうはずの駐車場は、

横殴りの雨と強風で人もまばら。

しばらく車で待機したが、好天は見込めず

明日予定の西吾妻山の登山口・天元台高原へ。

駐車場、車中泊

 

 

6月11日(日) 吾妻山

天元台高原ロープウエイとリフト3基を乗り継ぎ北望台へ。

ここからは3時間半ほどで山頂を往復できる。

こちらは雪がたっぷり。

アイゼンは不要だが、例年に比べて雪が多いとのこと。

さすが日曜の百名山、登山者は次々とやってくる。

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雪たっぷり

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帰りのリフトから見た真っ白い飯豊山脈。

今年か来年、待っててねと心の中で・・・。

 

東北の山 というだけで、

何かこう特別な響きがある。

ちょっと走ればいで湯もあり、

美味しいものも沢山ある、

またガソリンスタンドや入ったお店で話す

おじちゃんやおばちゃんの笑顔が

優しくて素朴でたまらなく癒される。

 

ゆっくりする間もなく、

走って、登っての4日間、

F森さん、感謝です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小川山 6月3日

6月3日 小川山

メンバー 84.O原.バンブ


日帰りで小川山に行った。今回はクラックメイン。


朝一でマラ岩、妹岩方面。はじめに「屋根の上のタジヤン」をアップで登った。朝一のスラブで目が覚めた。

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アップ終了後、妹岩に行き「龍の子太郎」1p目を登った。トップロープを張りO原、バンブ共にノーテン。次はリードできそうだった。


今日の84の目的「カサブランカ」は人気ルートで7人待ち。その間にバンブが「ムードはいい線」をオンサイトをやると言うので、ビレイした。オンサイトは逃したが、トップアウト。次回の宿題となった。


まだカサブランカは空かないが、2人にお願いして準場待ちさせてもらった。あと1パーティ。


満を持して自分の番。見上げると今まで登ったクラックの中で一番スケールがあり長い。プロテクションは良いと聞いていたので、「ダメでも突っ込んでフォールしよう...」とプレッシャーを振り払うように言い聞かせ取り付いた。


下部のセクションは緊張が解けなかったが、バンドのところでレストし、覚悟を決めて出発。核心のフレアハンドを慎重にこなし、足ジャムを意識しながら淡々と登った。

気がつくと終了点まであと僅か。レイバック気味に右クラックへ移り、フィンガーを決めて終了点へ。

OSできると思わなかったのでとても嬉しかった。順番待ちのときに見ないようにした甲斐があった。写真がないのが残念。


この時点で16時半だったが、兄岩に移動し、O原の目的の「マガジン」を登りにいった。

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核心でフォール。カムはバッチリきまっていた。そのままトップアウト。次にバンブがフラッシュトライ。慣れないフィンガークラックに苦戦しながらテンション交じりに抜けた。

二人ともあまり普段悔しがらないが、とても悔しがっていた。


時刻は19時半。真っ暗になり久々のヘッデン下山。渡渉も無事にこなし駐車場へ帰り着いた。