懐かしき山塊
残雪
前を行く山の友
心をのせたテント村
8月の蝉
あお色だけの空
木漏れ日の岳人
かわす挨拶
繰返す急登
大粒の汗
差しのべられた手
初めての裏剱
流れる霧
白い群生コバイケソウ
深夜1時のペルセウス座流星
仙人池に上弦の月
小屋あるじの歌声
小さな日記
山の湯けむり
早朝 別れの言葉
深い谷と急峻な壁に
幾度と振りかえる水平歩道
トロッコ電車と人々のざわめきに気付いた旅の終わり
肩にかけた腕と涙とありがとう・・
忘れえぬ今年の夏山
8/11 22:45 竹橋毎日新聞社前 アルペン号乗車
8/12 室堂 雷鳥沢 劔沢 アイゼン歩行 真砂沢ロッジ泊
行動時間7時間(含休憩)
8/13 真砂沢ロッジ 二股吊り橋 仙人新道 池の平小屋(昼食)
池の平山南峰(2555m)ピストン 仙人池ヒュッテ泊
行動時間 10時間(含休憩)
8/14 仙人池ヒュッテ アイゼン歩行 仙人温泉小屋(温泉入浴) 雲切新道 人見平
阿曽原温泉小屋泊(露天風呂)
行動時間 9時間(含休憩)
8/15 阿曽原温泉 水平歩道 欅平
行動時間 6時間半(含休憩)
トロッコ 宇奈月温泉(お風呂) 魚津(魚料理) 越後湯沢 東京
久しぶりの夏合宿参加。行き先は、前々から行ってみたかった裏剱岳・仙人池。
奥深い山中にある憧れの地へFさんと二人だけの山行。
仙人池を中心とする界隈は紅葉の季節が本番、すれ違う人も真砂沢まで、、、
そこから先、人に会うことは非常にすくなかった。
常に心にあったのは、二人のどちらかがこけて捻挫しても、助けを呼べない
通信もままならない奥深い山中、最初から最期まで、歩くことも、
道を見つけることも、全てに気をぬくことはなく、今考えると何事もなく帰って
これて本当に良かったと思う。
仙人池から先は総じて登山道は整備されているというよりも、あるがままの姿が
淡々と続き、視界が開ける度に思いがけない絶景が眼前に広がる。
360度見渡す限り山・山・山の懐に抱かれた4日間、忘れられない山行となった。
初日、W田班と真砂沢まで同行、夕食も一緒させていただいた。
我々は真砂沢ロッジ泊。宿泊者にはかけ湯ではあるが予期しなかったお風呂に入ることができた。1部屋5人、その日の宿泊客は20名。ザックは部屋には持ち込めない。
2日目 真砂沢ロッジ、朝食は5時。Fさんと岩班の4人を見送り、我々は7時出発。岩につけられた赤いペンキを見落とさないよう慎重に慎重に進む。しばしケルンを頼りに進み、地図にある二股のつり橋着。
ここからは三ノ窓雪渓の絶景が堪能できる。仙人新道はかなりの急登でとにかく暑い暑い暑い。登り1時間40分ほどで稜線へ。右手に仙人池ヒュッテを確認し、我々はそのまま左へ30分、池の平小屋へ。 小屋で昼食のラーメンを頼む。テント泊の場合、仙人池ヒュッテにはテン場がなく、ここ池の平のテン場を利用するしかない。映画「点の記」の監督、俳優が入ったというお風呂があった。余分な荷物は小屋にデポし、池の平山南峰を目指す。
8月お盆というに、思いがけずコバイケソウの白い群生に出会う。山頂までたっぷり2時間。ご褒美は裏剱の絶景。山頂ではコーヒーや紅茶をいただきながら大休止。眼前の八つ峰に高山植物、刻々と湧き上がる白いガス、コーヒーの香り。先を急ぐばかりでなく、山でこういう時間が持てなかったらつまらないなと改めて思った。
仙人池ヒュッテ午後5時着。またしてもお風呂が待っていた。宿泊客は全員前日真砂沢ロッジからきた人たちでわずかに7人。割り当てられた6畳の部屋にはFさんと二人だけ。夕食はとんかつ(美味)。
深夜1時、Fさんと仙人池の前でペルセウス座流星群鑑賞。星がありすぎて、どれがどの星座かわからない中、流星が四方八方から流れてくる。仙人池には月も星もまた裏剱も映っていた・・・。
3日目 仙人池ヒュッテ、朝食はここも5時。裏剱が朝日で赤く染まる5時過ぎ、全員、写真撮影のため朝食を中断し池にでる。小屋出発6時半。ここから仙人温泉小屋までの2時間が、今回の山行で一番厳しい道だった。まず人に出くわさない。短い雪渓横断が一か所。雪渓降り口も入るところも二人で十分確認した。2つ目の雪渓はかなり長い下りでアイゼン装着。登山道はせまく、急登、この道は一般登山道というよりバリエーションに近い、いやバリエーションだ。
仙人温泉小屋で露店風呂に入る(500円)。ギターをひきながら歌うという有名なこの小屋の主がギター片手に歌ってくれた、小さな日記・・・。
ここから先が、2007年に開通した雲切新道。別名を新北アルプス三大急登、ロープあり梯子あり、 800mを一気に下る。午後3時過ぎ、阿曽原温泉子小屋到着。露店風呂は小屋から5分くだったところ、男女時間交代制。この日は9人が宿泊。夕食はかなり豪華。 またもや広い部屋にFさんと二人だけ。 窓から満点の星空。
4日目 阿曽原温泉小屋5時45分出発。欅平まで水平歩道を6時間半。約12キロ。
水平歩道とは、標高1000mの等高線に沿って結ばれている登山道で道幅は狭いところで70cmしかない。黒部渓谷の左岸の絶壁をコの字かたにくりぬいて作られている道には、山側に鉄ロープが張られている。この道、結構、転落事故が多いらしいといことを後で知った。
欅平着12時15分。多くの観光客でにぎわっており、我々ももちろんビールで祝杯。山への思いを残し
ながらトロッコ電車1時間10分で宇奈月温泉へ。共同温泉で入浴後、蜃気楼の街魚津で魚料理を堪能。
越後湯沢から新幹線で帰京。
珍しいほど全行程天候に恵まれ、本当に楽しかった、Fさんありがと・・・。