「テント泊で縦走」をテーマに秋の八ケ岳へ行ってきた。一度歩いてみたかった観音平～編笠山～権現岳～キレット小屋～赤岳～阿弥陀岳経由で美濃戸口へ抜ける縦走ルート。キャンセル待ちをしていた行きの夜行バスの予約が直前に取れ、ＡちゃんとＹ子の2名でいざ決行。家で測ったザックの重量は15キロ。ガチャも無いのに結構な？重さと大きさ。ま、縦走もテント泊も本当に久しぶりだが、頑張って担ぐしかない。とにかく気分は八ヶ岳なのだ。
夜行バスは観音平に4時20分着。駐車場が一杯でバスがＵターン出来ないために少し手前で降ろされた。見上げると満点の星空。すご～い。本日の好天を確信する。
真っ暗な駐車場で朝食を済ませ、寒いのでダウンを着たまま5時に歩き始める。広いゆるやかな尾根に入ると駐車場の車の多さもなんのその、喧噪とは無縁の静かな山行の始まり。Ｉ山（元）ノマド代表のトレーニングコースだったらしい？編笠山へのルートは、寝不足の身体と脚に優しい尾根で、丹沢とは一味違う雄大さを味わえるいい山道だ。最後の急登を終えるとまぁるい編笠山の山頂へ。富士山、北ア、甲斐駒、中央の山々が一望出来る。順調な滑り出しに少しホっとする。
ツルツルした大きな黒岩の上を下って青年小屋で小休止。見上げると鞍部に小屋が見えたので、もうキレット小屋が見えたかとほくそ笑むと権現小屋だった。そんなに甘くはないので本日２つ目のピーク権現岳を目指す。南八ヶ岳らしくゴツゴツした岩場や鎖場も出てくるが、縦走中はずっと文句がつけようのない秋晴れのため、ルートも明快で危険な個所はなし。手前のギボシを権現ピークと思って歩いていたが、権現岳の頂上は先割れした奇岩が特徴的で権現小屋の分岐から空身でピストンした。権現から三ツ頭経由で周遊する人が多い模様で山頂はそこそこの人で賑わっていた。
権現まで朝から結構登ったので、あとはキレット目指してドカンと下る。途中一箇所長い梯子があったが、すれ違う人も少ないので焦ることなくゆっくり下りられた。行く手に赤岳を見据えつつ、このピークを登り切った先の谷間に小屋が見えるかな？と指折り数えた何度目かにようやくキレット小屋が現れた。13時30着。行動時間8時間半なり。
キレット小屋は明日が本年度の最終営業日とのこと。煮沸すれば使える水がもらえると聞き４ℓゲット。まだ十分に早い時間だが良い場所は既にテントが張られていて、2～3天をようやく張ることが出来るスペースを確保した。ただし、小屋からかなり下った場所にも平らなテンバがあり、遅く到着してもテントは張れるみたいだ。ビール＆お酒＆お茶とおつまみで乾杯の後、昼寝！16時半に起きるとＡちゃん食当の夕飯の始まり。船橋のサンマと野菜たっぷりのご飯が美味しかった。18時半就寝。幸せな休日。
2日目、3時半起床。朝焼けの雲海と富士山をゆっくり眺め、明るくなってから出発。朝一番で盟主赤岳を目指す。心なしか山とザックの重さに身体が慣れた感もあり、7時15分に頂上着。出発時点では阿弥陀をスキップして行者小屋経由で下山と決めていたが、この調子なら15時のバスに余裕で間に合いそう？当初の予定に戻して阿弥陀に登り、御小屋尾根経由で美濃戸口を目指すことにした。
赤岳山頂直下の渋滞もさほどストレスなく通過。中岳の登りを阿弥陀の登りと一瞬勘違いして、「Ａちゃん、今日最後の登りだよ。頑張ろう！」と口走ったらすぐ却下された。この勘違いで気が抜けたのか、ホンモノの阿弥陀の登りがとても急登に感じた。阿弥陀の山頂に到着すると、今日と同じような青空の下、2年前に南稜経由で登頂した山行が思い起こされた。
阿弥陀直下の御小屋尾根は急な下りが暫く続く。途中で植生が変わり、我々含め４組くらいが抜いたり抜かれたりしながら長い長い尾根を下っていく。南沢経由の下山と比較するとぐっと静かな登山道だ。3連休の八ヶ岳でこんなに静かな気分を味わえるとは予想外だった。だいぶ高度を下げたかなと思ったら突然舗装道路が出現し、別荘地を抜けてようやく美濃戸口に到着した。13時着。無時の下山に感謝する。
乗車券が取れなかった帰りの毎日あるぺん号の空席確認を八ヶ岳山荘でしたところ、2席空いていた。わーい、超ラッキー！15時に美濃戸口をバスで出発し、新宿へ向けて車窓の人となる。連休満喫。雪が無くても楽しさが凝縮された八ツはやっぱりいい山だ。Ａちゃん、よく歩いたね！
10/13 観音平5:00～雲海6:00～編笠8:30～権現11:00～出合小屋分岐12:45～キレット小屋13:30 10/14 キレット小屋5:40～赤岳 7:15～阿弥陀9:10～美濃戸口13:00
