山人ノマドの活動報告

東京都山岳連盟加盟の山岳会、山人ノマドのブログです。会員の山行記録、会の行事などを紹介していきます。

南部南アルプス縦走 聖岳〜赤石岳〜荒川三山 

 

9月18日(金)〜22日(火)
F森(L) I 江 (写)  西川(記・写)
 
 
沢登山口      1,140m
聖岳                         3,013m
兎岳                         2,816m
小兎岳                     2,738m
中盛丸山                 2,807m
赤石岳                     3,120m
荒川中岳                 3,083m
荒川東岳(悪沢岳)   3,141m
千枚岳                      2,879m
椹島ロッジ         1,120m
 
 
 
9月18日(金) 前泊
都内から新東名高速新静岡IC経由 畑薙第一ダム駐車場へ。
午後4時半駐車場着。
I江さんが持ってきてくれたガスランタンの明かりのもと前夜祭。 
狭さ覚悟で車後部座席を倒し、3人仲良く寝る。
2日間降った雨も数時間前にやみ、空には満点の星。
 

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9月19日(土) 初日 畑薙第一駐車場~聖平小屋 
登山バスアルペン号が着く午前5時前にバス停に並ぶ。
駐車場はすでに150台以上の車が駐車。
畑薙第一ダム駐車場で東海フォレストのバスに乗換えるが、
通常始発バスは8時発。しかしシルバーウィーク初日のこの日
臨時バスが6時に5台でる情報を前日に入手。
 
毎日あるぺん号が運んできた山人は100名超。
最初から好天が予想されていたシルバーウィーク、
南部南アルプスのどこの山小屋も満員御礼、
登山バス毎日アルペン号も東海フォレストの送迎バスも
フル回転で嬉しい悲鳴が聞こえる。
 

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(午前6時前ですでにこの行列。)

 
 
午前7時、聖沢登山口出発。
樹林帯の中を快適に高度を上げる。
午後1時、コースタイムどおり約6時間で聖平小屋着。
 

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聖平小屋は、間際らしいが東海フォレストではなく
井川観光協会が運営している。
東海フォレストの小屋が10人以下の予約不要に対して、
この小屋は予約が必要。
 
小屋名物のフルーツポンチを頂き一息いれて、
翌朝、暗いうちに登る登山道を確認する。
 
聖岳は、南アルプス最南端の3000m峰で、
その南側標高2300mの聖平には、
大規模な高山植物の群生地がある。

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聖平小屋には通常120のシュラフが用意されているが、
この日の宿泊数は130人を超えているとか。
6つある個室の最後の一つが空いていたので、
2人用個室だったが、自分達の空間が欲しくてその部屋も予約。
個室はプラス4000円/1部屋。
おかげで夕食の後も、狭い個室でしりとりをしたり、
焼酎いいちこを飲んだりして就寝まで過ごした。
この日もわざわざ、狭い2人用部屋に、3人で寝る。
 

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(聖平小屋 シュラフは用意されているが、マットはない。)

 

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(二人用個室。 確かに・・・二人用。)

 
 
9月20日(日) 二日目  聖平小屋~百間洞山の家
午前3時半起床。4時半出発。
 

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午前7時、一つ目の百名山聖岳着。空身で奥聖岳往復。
 

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さすがに南アルプス、富士山が目の前に見える。
初日は樹林帯の中を6時間ゆっくり歩いただけだが、
今回の縦走の一つ目の核心は、二日目の今日。
幾つものアップダウンを繰り返す縦走。
登っては下り、登っては下り、
再び目の前に迫る山塊に少々嫌になるが、
後ろを振り返り、歩いた軌跡を見ると
なぜかすごい満足感が広がる。
踏み出す一歩って、
凄いなって素直にそう思う。
 

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(写真:I江さん)
 
 
稜線では紅葉が始まっていた。
明日登る赤石山脈の盟主、
一等三角点をもつ赤石岳も前方に見える。
 

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今日最後のピーク、中盛丸山でお湯をわかし、
山での時間を楽しみ、再び百間洞山の家まで標高を下げる。
 

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午後1時半、百間洞山の家着。行動時間9時間。
小屋の定員は60名。この日の宿泊者は100名超え。
 

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(百間洞山の家 一部屋8人、ここもシュラフと薄く細いウレタンシートが一枚。)
 
この小屋の名物は夕食にでるわらじとんかつ。
ただし午後4時までに小屋へのチェックインが
終わっていることが条件。
 
小屋では揚げたてのとんかつを食べてもらえるように
テーブル8人づつ、食べる時間を指定され、その5分前に
部屋で声がかかるまで待機していなくてはならないという徹底ぶり。
今回はあまりの宿泊者の多さに、食事時間は20分と制限つきだった。

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9月21日(月) 三日目 百間洞山の家~千枚小屋
午前3時起床。 午前4時出発。
日の出午前5時20分までの時間、空の色は刻々と変わる。
名峰赤石岳の向こうにある富士山は残念ながら見えなかったが
その空の色から、素晴らしい日の出であったことは
間違いなかったと思った。

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写真:I江さん (中央アルプス
 
 
富士山以外の中央アルプス、御嶽、北アルプス
一週前にいった乗鞍まで、雲海の上にしっかり目視できた。
 
出発から3時間半で二つ目の百名山赤石岳山頂着。
あまりの寒さに、赤石避難小屋で沸かした湯を無料で頂き
持参していたインスタントコーヒーで体を温めた。
通常はコーヒー1杯500円。

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赤石岳山頂)

 

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 写真:I江さん (荒川小屋)

 
10時20分荒川小屋着。
大休止の後、気持ちをリセットして、今回最後の登り
荒川岳(悪沢岳)へと進む。
 

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荒川岳とは、別名荒川三山と呼ばれ、幾つかのピークの集合体。
三山とは、前岳(3,068m)、中岳(3,84m)、
悪沢岳または別名東岳(3,141m 日本第6位の高さ)を指すが、
三山という呼び方に関しては諸説あるようだ。
 
悪沢岳の東に位置するふたつのピーク
丸山(3,032m)、千枚岳(2,880m)も荒川岳の一部になる。
 
午後1時40分、最後のピーク悪沢岳着。
今日の予定コースタイムは10時間、ここまでくれば
もう気持ちはゴールに近い。再び大休止。
 

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丸山を経て、千枚岳への岩稜帯を通過し、
この日の宿千枚小屋へ、ピークからまたしても600m下る。

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午後3時半小屋着、行動時間約12時間。
縦走3日目となれば、10時間を超える行動時間も
当初心配するほどもなく、体は山にすっかり慣れていた。
 
小屋は綺麗で新しく快適。
夕飯も美味しかった。

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(千枚小屋 シュラフと毛布一枚。)
 

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(千枚小屋夕食 夕食のみは2000円)
 
 
 
9月22日(火) 四日目 千枚小屋~椹島ロッジ~畑薙駐車場
3時起床、4時出発。
(なぜか毎日30分づつ早くなっている)
椹島ロッジを10時に出発する東海フォレストのバスに
間に合わさなければならない。
樹林帯の中をヘッデンを頼りに、
シラビソの原生林をたんたんとくだる。
鳥の鳴き声が聞こえ始め、沢の音が聞こえ
いつしか夜が明け、5時間で椹島ロッジ着。
 

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すでに70人ほどの人がいたが、
ラッキーなことに予定より1時間早い
9時出発の臨時便のチケットをゲット。
 
前日まで南部南アルプスには800名の人が入山し、
この日は400名が下山予定。
 
南アルプス南部の小屋は、水源を持つ低い位置に
建てられているため、縦走を計画するにはどうしても
日数が必要となる。
私達同様、皆、5連休というシルバーウィークに
南アルプスを選んだ人は多かったと思う。
 
 
4日間の縦走。
しっかり食べて、ちゃんと寝て、
ゆっくりでも歩いていればピークに立てるし、
山を降りることもできる。
でも、その過程で、時間配分を考え
エスケープルートも確保し、
共同装備も考えてもつ、仲間と登る山、
一言も交わさず汗だくで立った山頂でかわす言葉も
仲間あってこそ・・・
今回長い時間を山の中で共有でき
本当に有難うございました。
またお疲れさまでした・・・。
 
 
沢登山口      1,140m
聖岳                         3,013m
兎岳                         2,816m
小兎岳                     2,738m
中盛丸山                 2,807m
赤石岳                     3,120m
荒川中岳                 3,083m
荒川東岳(悪沢岳)   3,141m
千枚岳                      2,879m
椹島ロッジ         1,120m
 
4日間歩いた距離は約45Km
登りの累積標高は約4495m 、スカイツリー約7個分
 
 
山から降りてくると
なぜか切なくなる・・・
せっかくいってきた山だから
しばらくはその余韻に浸ることにしよう・・・。
 

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後記 今回は静岡県の山。
   帰りに選んだのは、富士宮やきそば
   帰りの渋滞が予想されているのに、わざわざ富士宮市に寄った。
   B級グルメのグランプリを決めるB1グランプリで
   第1回、2回とも優勝した焼きそば。
   ご当地で食べる価値ありの味でした!