10月11日〜13日 F森(L) 西川(記・写)
富士山が初冠雪となった日に、
10月体育の日の3連休、
日本全国、至るところで運動会が多くあったと思われるが、
この3連休、なぜか山では雪が降ったりと荒れることが多い。
今年も、天気予報は日曜夜から月曜朝にかけては降雨。
この降雨が、富士山に初冠雪を、
北岳にも5〜10センチの降雪をもたらした。
11日(日)
都内より自家用車で2時間半、
中央高速経由、南アスプス市営芦安駐車場へ。
マイカー規制のため、自家用車はここまで。
芦安駐車場から 広河原へは送迎バスか、
人数がそろったら出発する乗り合いタクシーで約1時間。
広河原着午前10時半、天気予報通りまだ雨はやまない。
広河原インフォメーションセンターには、
雨の中下山してきたびしょ濡れの登山者が結構いた。
少し雨が小降りになるのを待ち、
雨具を着て樹林帯の中を高度700mあげる。
2時間半で白根御池小屋着。
このまま3時間歩けば肩の小屋へはいけるが、
ここは予定どおり、小屋にチェックイン。
小屋は素晴らしく綺麗で清潔。
とりあえず生ビール。
でも、まだ午後2時前・・・ 夕食まで3時間・・・。
・・・?
・・・!
明日の夜もあるし、コスパを考えて、
山小屋で焼酎のボトル購入。
(信じられないけれど・・・)
隣のテーブルの3人組男性は、焼酎のボトル2本目・・・。
彼らは、この日の朝、肩の小屋から北岳山頂に登ろうとしたが、
ブリザート状態でであえなく撤退。
アイゼンも持っておらず、白根御池小屋まで下山し、
ひたすら飲んでいたとか。
(でも結構楽しそうだったけれど。)
12日(月)
4時起床。
小屋の1階談話室はすでにあかりが灯され、
ポットにはお湯が用意されている。
ヘッデンもガスも不要ということ。
5時出発。
草滑りを快適に登る。
北岳山頂は目立って白い。
夜明け前の鳳凰三山
早い時間に降りてくる人は、
やはりアイゼンを持っておらず、また強風で飛ばされそうで
北岳山頂をあきらめ下山してくる。
尾根にでると、結構な風がふいていた。
天気予報では、今日の3000m付近は風速26m、
明日も風速20mの予報がでており、
果たしてこの強風の中、3000mの山に行っていいものかどうか、
正直なところ、出発前から悩んでいたこと。
出した結論は、行けるところまで行く。
北岳肩の小屋
7時半、肩の小屋で大休止。
6本アイゼンを装着し、いざ北岳山頂へ。
ほとんどの登山者は肩の小屋からのピストンで背中のザックも小さい。
まだ朝8時半、昨晩降った雪は溶けておらずどこも滑りやすいが
アイゼン装着なので快適に登れる。
山頂は思いのほか風がなく、
日本第2の高峰から見る360度の景色を堪能。
ここまで来たので、とりあえず
200m下った北岳山荘へ。
午前10時半、不要な荷物を小屋へデポし、間ノ岳へ。
コースタイムは往復3時間。
もし、コースタイムが5時間を超えていたら
行かなかったのでは、と思う・・・。
3000mを超えたあたりから、
西からの強風が吹き荒れる。
全神経を歩くことに集中し、二人とも全く無言。
ちょっとでも集中がきれたら飛ばされそうで。
空は快晴で真っ青、白いガスはあっという間に
西から東へ流れていく。
2時間で間ノ岳着。
何かに捕まっていないと飛ばされそう。
ポケットのカメラは氷みたいに冷たく、
シャッターをきるのに手袋をはずすと
あまりの寒さに1分ももたいない。
風速20m超の風がどれだけ体感温度を下げるのだろう。
写真数枚撮って、早々に山頂をあとにした。
来た道を引き返し、北岳山荘に戻った時には、
二人とも疲労困憊。
神経を集中したこの日の10時間行動で、へろへろ。
小屋前で呆然と座り込む状態。
北岳山荘の夕食
13日(火)
一晩中、風が吹き荒れていた。
暁に遠く富士山が見える。
7時小屋出発。
バットレスを眺めながら休憩。
標高2000mあたりからの紅葉が素晴らしい。
冠雪と紅葉。
今回は天気予報の強風に、間ノ岳の山頂には
立てないだろうと半分思っていた。
厳しかった分、バットレスから下の紅葉に思いっきり癒され
晩秋と初冬、二つの3000mの高峰、
忘れることのできない山行となった。
追記 想定外の厳しい初冬の山に登り、下山時には、思いがけなく素晴らしい冠雪と紅葉という
見たくても中々見ることができない、本来ならばカメラ好きには堪らない山行だった。
にもかかわらず、帰宅してから見た写真にはそれがちゃんと写っていなくてとても残念。
カメラよりも、いかに人間の眼が凄いか、心に刻まれた色や影のほうが、ずっと印象に
残るのかな、、、。