2015年11月3日~7日 F森(L)、西川(記・写)
いずれも日本古来からの山岳信仰に深い山々
いくつもの神社と神が光臨すると言われる巨大な岩
その山を信仰の対象とした修験者たちの白装束
数百年もの間そこにあった神社
霊感迫る空気の中 響きわたる柏手
一般的に日本三霊山とは、
富士山、立山、白山。
この3つに
足したものを日本七霊山という。
森羅万象、木に岩に山を神とした「日本人感」を感じた
西日本3つの山旅は、
まさにディスカバリージャパンの旅となった。
そして、
3つの山の紅葉はほぼ終わっていたが、
3つの山を結ぶ四国山脈、祖谷渓谷、
岡山から大山を結ぶ米子道は紅葉最盛期で
かつて見たどの紅葉よりも素晴らしく、とても写真では表現できない。
車窓からため息の連続だった。
11月3日 逗子→剣山
F森さんに逗子に前泊してもらい、午前2時前に逗子自宅出発。
東名、新名神、神戸から淡路島を経由し徳島へ。
剣山の登山口へは逗子から約700キロ、10時間で到着。
この日は文化の日の祭日で快晴、
登山口にある駐車場はほぼ満車。
剣山は、標高1995m、四国山地の東に位置し、
西日本では2番目の高峰。
登山口からは850mを15分で結ぶ登山リフトが運行されているが、
リフトに乗らなくてもコースタイム1時間35分と、
百名山の中でも
山頂は熊笹を中心とする平坦な草原となっていて、
ロープで囲われた木道となっている。
後方が剣山(別名タロウギュウ)
剣山の山頂
山頂ヒュッテ着 午後3時。
小屋は全室個室になっていて、我々は3畳ほどの
広さに小さいこたつがひとつ。
石鹸、シャンプーは使えないがお風呂にも入れ、
部屋に電気もあり清潔で快適。
1泊2食付き 8000円なり。
前日の睡眠不足で二人とも夕食後は爆睡。
山頂ヒュッテ二人用部屋
小屋での夕食
名物あめごの唐揚げ
11月4日 剣山→石鎚山
山頂直下の大剣神社
山頂直下の大剣岩
6時20分、日の出。
7時朝食。
7時40分ヒュッテ出発。
登ってきた道を下りず、
剣岳と対峙するジロウギュウ(1930m)経由、2時間半で下山。
ジロウギュウへ向かう
下山後、明日登る石鎚山登山口に移動する為、
四国山地を西に向かう。
当初の予定は、北にある登山口から
表山道成就コースを計画していた。
しかし、始発のゴンドラに乗っても
登山開始が朝9時になってしまう為、
石鎚山の南東、土小屋からのアプローチに変更。
四国山地の道は狭く、対向車とのすれ違いは難しい。
ほとんどカーブの連続で車のライトは日中でも常にハイビーム。
V字型に切り込んだ祖谷渓谷をはさみ山は全山紅葉。
高低差400mにも及ぶ急傾斜地にある平家の落人伝説が残る集落と、、、
この日半日は観光。
東祖谷の2重かづら橋
祖谷そば
こんにゃくも有名(稲荷寿司ではなくこんにゃく寿司)
西祖谷のかずら橋
あと3キロで目的地というところで、
「路側崩壊の為全面通行止め」というまさかの看板。
すでに辺りは真っ暗闇。
我々と同じ状況の車がもう一台。
しかたなく、締められたゲート前で車中泊。
最初から車中泊する予定だったので、
厳冬期用シュラフ、マット、枕も車に積んであった。
リアシートを倒せばフルフラット、身長190センチでも
完全足を伸ばして寝れるベットに早変わり。
明け方、2度目のまさか、の雨・・・。
雨が小降りになるのを待ち、6時半出発。
当初の目的地まで約3キロを歩く。
石鎚神社で 二礼二拍手一礼してから登山口へ。
雨は降っていないものの、ガスで視界はゼロ。
土小屋登山口からのコースタイムは100分で二の鎖小屋へ。
登山口にある石鎚神社
神が宿っているように見える・・・
霊峰石鎚山といえば、なんといっても、岩場に鎖。
山頂山荘がある弥山から最高峰天狗岳へはどうしても
鎖を使うことになるので、二の鎖小屋から二の鎖、三の鎖は
使わず迂回ルートで石鎚神社がある弥山へ。
が、3度目のまさか、山頂は強風、ガスでホワイトアウト。
全く先が見えず、先行していた男性も15分で行けるはずの
天狗岳はあきらめたとか。
石鎚山とは、最高峰に位置する天狗岳(1982m)、
石鎚神社がある弥山(1974m)、南尖峰(1982m)の一連の総体山をさす。
今回は残念ながら、弥山までで石鎚山登頂とした。
石鎚山(弥山)山頂
二人とも、口には出さなかったが、
なんとなく一度も鎖に触っていないことに後ろ髪を
ひかれる思い・・・
二の鎖だけでも様子を見にいったら、鎖は普段我々が
山でよく見かける鎖、これだったら濡れた登山道の鎖も
問題ないね~なんて言いながら、二の鎖で降りることにした。
が、途中から、そう霊峰石鎚山の本当の二の鎖場(65m)に。
ほぼ垂直の岩場をクライムダウン。
鎖はしっかりしているものの、岩に足の置き場がない。
途中からトライアングルがでてくるが、
雨で岩は滑るし、ずっと鎖を握っている手は
どんどん冷たくなっていくし、途中泣きたくなった。
ゴンドラが動きだしたか、ちらほら登ってくる登山者が、
岩場を下ってくる我々を見て、
ほ~ほ~、鎖場、登りじゃなくて降りてるんですか~、
さすがですねと、我々を見る目は、間違いなく点になっていた。
やっとこさっとこ降りたら、鎖場には、「登り専用」と。
二の鎖場をクライムダウン(本当は登り専用)
もしまたチャンスがあったら、
晴れた日に、3つの鎖で天狗岳へも登り、
山頂から見える展望を是非楽しみたいと思う。
午後2時下山。
今日の宿は、香川県の私のいとこ宅。
が、またもや足止め・・・。
四国の山道ではよくあることらしいが、
道路に時間制限つきの道がある。
1日に5回ほど、1時間も通行止めにして道路補修工事をしている。
2時30分から1時間通行止め。
そのゲートへ着いたのが2時36分。
係員に懇願したが、だめだった。
前日は、午後4時15分に全面通行止め解除後に
通過したので、問題なかったのだ・・。
こんなところで1時間も通行止め
11月6日 香川県→大山
午前中は、いとこにお願いして、
はしごするので、1杯目はトッピングなしの素うどん
だしは自分でいれる、香川県のうどん屋はたいていセルフ
トッッピングもセルフ
2杯目は釜揚げうどんにお揚げさん、濃いめの出汁を
3杯目 うどんのカルボナーラ、卵かけうどん
丸亀名物、骨付鳥
高速米子道を走り、大山の登山口へ。
米子道、見渡す限り全山紅葉。
高速道路はまるでオレンジの川を行くよう。
大山への下道も、全道紅葉、素晴らしすぎる!
正面は大山
11月7日 大山→帰京
雨は降っていないものの、ガスで山の全容は見えず。
登山コースは複数あるが、最もポピュラーな
日本海側から登る夏山登山コースを登り、
下山は途中から行者登山道に入り、
大山寺旅館街へ降りる。
この山だけは2合目まで紅葉が残っていた。
登山道から振り返れば日本海、皆生温泉が見え、
山頂からは瀬戸内海が見えるらしいが、
この日、生憎視界ははっきりしない。
8合目あたりまで、道は完全に整備され階段状になっている。
6合目あたりから
大山山頂
本来の最高峰、剣ヶ峰
最高点は剣ヶ峰であるが、剣ヶ峰に至る縦走路が
通行禁止となっているため、また古くから第二峰の
弥山(1709m)で祭事が行われていたことから
一般的には弥山を大山の頂上としている。
2週間ほど前に、駐日アメリカ大使ケネディー氏がここを登ったとか。
最後、紅葉した森をぬけ突如として現れる大神山神社。
今回の3つの山旅の最後に相応しい、荘厳な雰囲気。
ザックを降ろし、帽子をとり、
二礼二拍手一礼・・・
響きわたる柏手の音に、
あらためて日本って、なんかいいな、、、
日本人って、素晴らしいなあ、、、と思った
まさにディスカバリージャパン!
大山登山口 午後2時出発、
約900キロ、12時間かけて午前2時 逗子着。
総移動距離2100キロ。
念願だった西日本3座登頂の旅、終わりました。