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東京都山岳連盟加盟の山岳会 山人ノマドです。

会員の山行記録、会の行事などを紹介していきます。

北アルプス 硫黄岳

2017年間5月4日〜6日

メンバー:O村、バンブー

 

去年O村さんから誘いを受けて、ルートを調査。会の先輩達が硫黄尾根を西鎌尾根へ抜けた記録を見せてもらい、残雪期での山行を計画。半年待っての行動となりましたが、結果は残念ながらの敗退となりました。

 

伊藤新道から帰ってきたO村さんから「硫黄岳が気になるから行かないか?」と連絡がきました。晴嵐荘からの山容と山頂にある三角点が気になったそうで、地図を見ると確かに気になり快諾。ルートを調べてみると大きく2パターンある事が分かりました。

 

1.湯俣温泉から硫黄岳前衛峰-硫黄岳へ向かうルート

 

2.湯俣温泉から硫黄岳の南面の薄い尾根筋を登るルート

 

たけぞうさんに話を伺うと、会の先輩が過去に(1)のルートで硫黄尾根を抜けて西鎌尾根へ出た記録を見せてもらいました。雪が付いている方が登りやすいというアドバイスを受けて残雪期に行動することになり、GWで実行に移すことにしました。

 

改めて点の記を調べてみると…

 

・硫黄岳は昔は焼岳と呼ばれていたらしい

・三角点は中房温泉から燕岳へ上がり湯俣温泉へ降りて(カモシカ新道?)硫黄岳の南面から運んだらしい

 

事が分かりました。三角点を運んだルートとは違いますがどれ位の難易度のモノなのかと意気揚々と荷物を詰めこみます。

 

5月4日

お昼前に七倉山荘に到着。途中のコンビニで買った昼飯を食べ12時半に出発。湯俣温泉を目指します。高瀬ダム先の湯俣温泉登山口までは舗装路ですが、冬靴との相性が悪く早速足の裏にマメができます。湯俣温泉登山口から無人避難小屋までの木道は一箇所腐っていて、落ちると3mほどの下に滑落するためドキドキしながら通過します。その後は平坦な道を黙々と歩きますが、かなりかったるい道でした。4時間弱でようやく晴嵐荘に到着し幕営。ソロが2組と4人家族1組が湯俣温泉付近で泊まったようです。

 

5月5日

4時起床。朝食後にテントを片付け装備を整え5時45分に出発。水俣川の出会いで左岸へ橋を使って渡り上流へ進もうとしますが、出だしでつまづきます。

左岸の先が切れていて右岸へ渡渉するか左岸の崩壊している崖をトラバースするかの2択。渡渉を試みようと靴を脱ぎ水に浸かってみますが、水は冷たく、膝下までソコソコの水量の中を渡渉する気はなれず断念。トラバースも悪そうなので湯俣川からアプローチできないかと湯俣川側へ向かってみるものの、こちらも渡渉が必要。諦めて水俣川側へ戻って左岸を良く良くみるとトラバースできそうな踏み跡とテープを発見。踏み跡を進むと上流まで水に浸からずにトラバースできました。ただ3箇所ほど斜面が崩れている箇所があり、渡るのに注意が必要でした。

1時間半ほどロスしましたが、尾根へ上がれそうな笹薮の面を見つけられたので取付きます。尾根までは100m弱ほど藪漕ぎで、薮が薄く登りづらい箇所がありましたが、概ね良好でした。ただ藪漕ぎには違いないので、体力を削られ大汗をかきます。

尾根へ出たあとは尾根沿いを忠実に歩きます。予想以上の急登と登りやすいルート選択を繰り返したため中々進みません。前衛峰のP1点前付近に差し掛かかったところで13時になり、このペースでは硫黄岳には辿りつけなさそうなことと、幕営出来そうなスペースもあり景色も良いため、硫黄岳を諦め本日の行動を終了することにしました。
テントを張り周囲の景色を眺めます。北西は真砂岳、東から燕岳・大天井岳、南には北鎌の独標・槍ヶ岳と、周囲を見渡せる場所で時間を潰し6時半には就寝しました。星空が綺麗です。

 

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硫黄岳前衛峰P1手前から望む槍ヶ岳

 

5月6日

3時に起床。朝食を食べながら日の出を待ち、5時半前に出発。昨日登った道を戻ります。6時過ぎから雨が降ってきましたが、昨日の登りとは打って変わり、雪面を利用して軽快に降りる事ができ、登り4時間半掛かったところを1時間半で降れました。尾根から取付きまでは安全を期して懸垂。ここは登りとの時間差はありません。往路で緊張したトラバースを注意して戻り、湯俣温泉の堰堤側で装備を解きます。後は平坦な道をダラダラと歩くだけと思ったら帰りにちょっとしたハプニングに遭遇。

無人避難小屋から湯俣温泉登山口に掛けてあった木道の橋の一部が崩れ落ちて無くなっていました。誰かがロープを張ってくれており、斜面をトラバースすることで事無きを得ましたが、腐った木道も残っていていつ崩れてもおかしくない様子でした。

4時間歩き、足の裏のマメが潰れるんじゃないかと感じたあたりでようやく七倉山荘に到着。山荘では日帰り入浴ができたので、雨でびしょ濡れになり冷えた体を温めて、ダムカレーを食し帰路に着きました。

 

目的を達成できず消化不良気味でしたが、学べたことも多く身のある山行となりました。

 

追記 : O村

このような山行に同行してもらえる友がいるのは大変ありがたいと思っている。今回の目的は硫黄岳の頂に立つこととしていたが、本当の目的は、目的地に至るまでにどれだけの挑戦的な想定外なあって、それらをギリギリ乗り越えて帰宅するかが目的なのかも、とかボンヤリ思ってみたりして。こうやって字にして読むとバカらしくも思える。みなさん、山を登ってる時って何考えてるんですか?

 
この旅のハイライトを3つあげるとしたら、1つ目は往路の湯又登山道の木道。風雲たけし城にあった龍神の池を思い出した。ちなみに復路では木道が落ちていてロープが張ってあって、ジブラルタル海峡のようになっていた。もちろんバレーボールは飛んでこない。2つ目は夜中にビバーク地のテント内で聞いた足音...。これはきっとこれ獣だろうな。扉を開けて確認すれば良かった。その扉の向こう側にあるものが何だったとしても、間違いなく発狂するだろう。ギャーーー!うさぎ?!!みたいな。3つ目は大量のデカいカエル達かな。通り道だけで50匹くらい見た。そして採って食う事を想像した。それだけで気持ちが高まる...。と、言ったところだろうか。どれも硫黄と関係ない。
 
あ、あと七倉山荘はすごく綺麗な山荘で良かったな。GW時期は空いているそうなので、貸切露天風呂が味わえる。
 
こんな感想で良いですか(笑?
と、いう事で硫黄岳のピークハントはまた次回。