山人ノマドの活動報告

東京都山岳連盟加盟の山岳会、山人ノマドのブログです。会員の山行記録、会の行事などを紹介していきます。

皇海山(スカイサン)

 

皇海山( 2.144m )

2018年6月8日(金)快晴 (L)N川・F森

 

読めそうで読めない、

書けそうで書けない、

そして、私には、行けそうで、なかなか行けなかった山のひとつ。

最大の理由が、

最短ルートの皇海橋登山口への林道アプローチの問題。

登山口への林道、「栗原川林道」とは百名山一の悪路として名高い。

 

10年以上前に、ノマド前々会長のI山さんとW田さん、F森さんが

この不動沢コースを行った記録がある。

その時は、

I山さん所有の、軽自動車オフロード四輪駆動車として名高い

スズキのジムニーだったそうだ。

かつて車の転落事故もあり、

道の至るところに「自己責任で」と念をおす看板が多数ある。

 

そんな悪路を運転する勇気はさらさらないので、

登山口への送迎付きペンションに前泊した。

(1泊2食付 5500円/1人 ・片品村

実際林道を走る時間は片道ほぼ60分。

1時間も車を走らせるのであるから、

車はどんどん山懐深く入り、

深い谷はまさに仙境の装いとなっていく。

窓からの景色はかなりの絶景ではあるが、

車窓から見える足元の林道に目をやれば、

くねくねとした、切り岩の悪路、未舗装道路が続き、

タイヤは切り立った絶壁ぎりぎりを走行、

自然と緊張感が増す。

 

この名高い悪路を通らない方法としては、

庚申山荘に1泊し、庚申山、鋸山を経由し、皇海山へ、

六林班峠に下山するコースは山荘から往復9時間、

栃木県側(東側)からの銀山平からだと往復13時間。

 

日帰りできないコースを選択しても、

長い林道を車でアプローチするコースを選択しても、

この山の奥深さがよくわかる。

山頂からの眺めが期待できないぶん、

山の静けさがなお一層ひきたつ。

 

登山口出発、午前6時半。

今ではどこの登山口にもある、熊注意の看板がここにも。

平日の金曜、駐車場にはまだ車が3台のみ。

 

f:id:yamanomad:20180608062633j:plain

 

不動沢沿いに、笹原をぬけ、何度か沢を渡り、

不動沢のコルまで2時間。(実際は1時間半)

視界が開けない笹原では、熊よけの笛を時折、いや頻繁に吹く。

腰ベルトには熊スプレーを下げて、、、。

コル直下のマップにある急坂は、予想外の急登で、

備え付けのロープを使わないと滑る。

コルに出ればこの日一番の開けた場所で涼風が通り抜けていた。

 

f:id:yamanomad:20180608065250j:plain

笹原が続く

 

f:id:yamanomad:20180608111739j:plain

コルまでは、沢沿いを行くので涼しく気持ちがいい

 

f:id:yamanomad:20180608065445j:plain

沢を何度も横切る

 

f:id:yamanomad:20180608074646j:plain

 

f:id:yamanomad:20180608101022j:plain

不動沢コルで休憩

 

我々は迎えの時間を約束してきたので

コルから皇海山と反対方向に往復1時間かかる鋸山へはいかなかった。

鋸山山頂にたてば、皇海山の山容がよくわかるらしい。

 

コルから皇海山山頂までは1時間。

山頂は、栃木県と群馬県の県境であり、

また渡良瀬川水源碑がたっている。

山頂のまわりの立木で、視界はよくないが、

木々の間から日光白根がすぐそこに見えた。

f:id:yamanomad:20180608091230j:plain

山頂にある渡良瀬川水源の碑

 

f:id:yamanomad:20180608091549j:plain

 同じ山頂にもう一つの碑、こちらは栃木県側になるのか、

近くには栃木県百名山の看板もあった。

  

 

f:id:yamanomad:20180608093357j:plain

一輪だけ咲いていたシャクナゲ

 

さすがに平日でも百名山

下山までに30名を超す登山者に出会う。

そして、復路の林道で、まさかの熊さんにも出会ってしまった。

もちろん車の中にいたので安心ではあったが、

熊を見つけた瞬間の、車中の緊張感は忘れることができない。

もし、往路で熊を見てしまったら、

間違いなく、登山中止で引き返していたと思う。

 

つい最近までは、

人がいない静かな平日の山はいいね~、なんて言っていたが、

今では、

土日の人が入っている山域しか怖くて行けなくなってしまった。

 

気象庁が関東の梅雨入り宣言をした翌日の晴れ間、

長く気になっていた山頂へ立つことができ、

F森さん、お付き合いいただき有難うございました。