2019年8月 Y川
1ヶ月ぶりの山歩きはノルウェーのフィヨルドでのハイキングにな
このフィヨルドの上を歩き、名物岩の上でちょっと怖そうな写真を 撮るのが今回のハイキングの目的だ。
「フィヨルド」なんとなくはわかっていたつもりでいたが、 ひとくちに「湾」と言ってもとても奥深い。たとえば、 有名なソグネフィヨルドの奥の町から、 湾を出てノルウェー第2の街ベルゲンまで、 高速船で5時間程。 湾をでるまでに4時間ほどかかったように思う。
途中、家まで道が通っているのか?と思うような小さな集落から、 大きな街までフィヨルドの海岸沿いにいくつもの街が点在していた 。小さな入り江が玄関口になっているようなお家もあり、 日本とは違った、 おとぎ話に出てくるような景色が次々と出てくる。日本で断崖絶壁は犯人が追い詰められる場所、荒波の中そびえ立つものを想像して しまうが、フィヨルドは波がまったくなく、壮大でとても穏やかな 雰囲気だ。
◇12日-13日 トロルトゥンガ(Trolltunga:トロルの舌)
翌日の方が天気が安定するとのことだったので、1日目は、近場の 氷河が見える場所Buar Gletscherまで往復4時間のハイキング。
氷河は残雪とは違い水色に光っている。 ここでは氷河の手前まで歩いていけて、 間近に氷河を眺めることが出来る。氷河からの水が川、 滝になり轟音で流れている様子に圧倒された。
フィヨルドのあちらこちらに大きな滝が見られるが、 こんな風に氷河や雪解け水が滝になっているのだろう。日本の滝○ 選なんてあまりにもちっぽけに思えた。
登山口から街までの帰り道は周辺に生えている野生のラズベリーを 摘まみ食いしながら10キロほど歩いた。
2日目はメインイベント、トロルトゥンガに向かう。
帰り道は少し雨も落ち着き、 所々ガスの切れ間からフィヨルドの絶景らしきものを見ることが出 来た。電車やバス、船から見る景色、 フィヨルドのてっぺんから見る景色どちらも素晴らしいが、 この時はまだてっぺんからの本当の素晴らしい景色には気づいてい ない…。
◇14日 プレーケストーレン(Preikestolen:教会の説教壇)
この辺りでやっとノルウェーは、一日のうちに全ての天気を経験す るような安定しない天気が普通なのだと気づいた。
曇→雨→霧雨→晴れ間→またパラパラ雨… そして一瞬で霧に覆われる。
この日は登り始めは晴れていたが片道2時間の途中ザーザー雨が降 ったが霧に覆われることはなく、 遂にフィヨルドの上からの絶景を見て感激した。何処までも続く景色が本当に素晴らしかった。
片道2時間、トロルトゥンガより簡単なコースなので小さな子供から お年寄りまで歩いている。 ここは海面からは高いが安定した岩の上なので、 安心してこの景色を見ながら写真の順番待ちが出来た。
◇16日 シュラーグボルテン(kjeragbolten:奇跡の岩)
プレーケストーレンに続き簡単に行けそうに思っていたが、それほ ど急ではないがツルツルザラザラした角のない登りづらい岩をひた すら登るので鎖に捕まる所が多かった。
途中からはなだらかで、 目的の岩場周辺はだだっ広い歩きやすい岩場が広がっていた。
往復6時間、この日初めて雨に降られずに下山した。
ここからの景色も、とても素晴らしかった。 もっと違う表現をしたいがなかなか良い言葉が見つからない。 とにかく日本では見たことがない景色がずっーーっと続いている。
そして、ここにきて、 どこで撮ってもフィヨルドの上からの写真は同じ場所の写真に見え てしまうことに気づいた。
本当はもっと場所によって違った景色なのだが、 なんだか上手に写真が撮れないことが悔しい。
下山後のビールが思うように飲めず少し残念だったり、 山ではやっぱりおにぎりが欲しい! と里心もついたりしたがとても楽しい山旅だった。
ノルウェーは思ったより寒かったので、 東京のムワッとした暑さすら少し恋しくなったが、
戻ってきたら少し涼しくなっていて、夜は鈴虫が鳴いていた。