石田大
1月の例会山行で少し試したセカンドレスキュー時のカウンターラッペルの手順、和田さんに頂いた資料をもとに自分なりにまとめてみました。
シチュエーションとして大雑把に、
「自動ブレーキ機能付ビレイデバイスでセカンドクライマーを確保中、クライマー(要救助者)が何らかの理由で登攀不能となった。要救助者は意識ははっきりしており、またビレイヤー(救助者)が使用できるテンションの掛かっていないザイルの長さが全長の半分以上ある」
これからの救助者の行動として、
「要救助者の元まで下降し、応急処置が必要であれば実施。直下の懸垂支点まで介助懸垂で下降したい。」
とします。
とりあえず今回は、要救助者の元まで下降するところまで。
イ:要救助者のザイルを固定、確保しているビレイデバイスを解除
ロ:下降のためのカウンターラッペル支点の構築
ハ:解除したビレイデバイスを用いて懸垂下降の態勢を整え、要救助者の元へむかう
さて、手順ですが
①ザイルをダブルエイトノットでバックアップ(テンションの掛かっていない部分で)
②クレムへイスト+マリナーノットでテンションの掛かったザイルを固定
③ビレイデバイスを解除(懸垂下降に使用)、クレムヘイスト+マリナーノットにテンションを移す
④懸垂支点を構築(要救助者との体重差が大きい場合は支点にムンターヒッチ)
⑤ハーネスをビレイデバイスをセット(介助懸垂のため、クイックドロー・デイジーチェーン・セルフビレイコードを介してセットする)
⑥ビレイループにオートブロック等でバックアップ
⑦バックアップのダブルエイトノットを解除
⑧マリーナノットを解除、下降開始
となるようですが、まだ実地で試していないものでどうなりますやら・・・・
写真はブラックダイヤモンドの「ATCガイド」
セカンドクライマーが落ちるとザイルの右側にテンションが掛かります。
テンションの掛かっていない側でダブルエイトノットでバックアップ。
※これがないと手順を間違った場合やフリクションノットが効かない場合、要救助者は墜落の恐れがあります!
テンションの掛かった側のザイルにクレムヘイスト
アンカーにマリーナノットで固定
※これから中央のビレイデバイスを解除し、クレムヘイスト+マリナーノットにテンションを移します。左側のバックアップが非常に重要な気が・・・・。
デバイスの写真左側に小さな穴があります。そこにスリングやカラビナを掛けて写真上方向に引っ張ってやると自動ブレーキが解除されます。
※ちなみにこの「ATCガイド」の穴にはカラビナが入らなかったっす。ペツルの「ルベルソキューブ」はなんとかカラビナが通りました。
右側のクレムヘイスト+マリナーノットで要救助者が固定されています。
写真左端が懸垂下降時の支点となります。
※懸垂支点とバックアップのダブルエイトノットとの位置関係がちょっと気になります。
要救助者がO村君のような人の場合は支点を制動の掛かるムンターヒッチにするとよいらしいです。なんかこちらのほうがバックアップの解除なんかを考えると安心な気がします。
※ちなみに、写真中央のバックアップの解除のタイミングがイマイチ判然としません。
マリナ+クレムヘイストの効きを信頼するならこのあたりかな?
ハーネスのビレイループにセルフビレイコード、デイジーチェーン、クイックドロー(ヌンチャク)等を介してセットします。写真のクイックドローはカラビナ部分を両方とも安全環付のものに付け替えてます。
必ずバックアップを忘れずに!
ビレイループとテンションの掛かったザイルをクイックドローでつなげます。
※要救助者の元まできたら、ザイルに掛けたヌンチャクを要救助者のビレイループにかけ替えて介助懸垂します。
万全の態勢入ったら、最後にマリナーノットを解除して下降開始。
となります。
まだ実地での検証が出来ていないので、細かい手順の違いやコツ的ななにかがあるかも知れません。
自分でもなにかの機会に試してみたいと思いますが、皆さんも岩トレの合間なんかに是非検証してみてください。
なんか、山やさんのブログみたいになってしまった・・・・(笑)