山人ノマドの活動報告

東京都山岳連盟加盟の山岳会、山人ノマドのブログです。会員の山行記録、会の行事などを紹介していきます。

記憶の空白を埋める山行

5月26日・27日 たけぞう

 甲武信岳初登頂の記録は1977年9月の梓山~毛木平~千曲川水源~甲武信岳~甲武信小屋(泊)~雁坂嶺~雁坂峠~新地平で、甲武信小屋の食事が粗末で不愉快な思い出がある。登山手帖の登山行程表をみると、梓山~十文字峠~三宝山甲武信岳~東沢に赤線が入っていて、十文字小屋に泊まった記憶があるが、年月日不詳で定かでない。先日の富士写ヶ岳のシャクナゲがいまひとつだったこともあり、シャクナゲ観賞と1等三角点峰の三宝山に登ることを目的として行って来た。

 26日、小淵沢駅で購入した高原野菜とカツの弁当が1150円になっていた。梓山でバスを降り、毛木平まで歩く。平日なのに駐車場は満杯。ツアーバスまであった。13時、出発。水場を過ぎたところで早くもきれいなシャクナゲに出会った。期待大であるが、その後は出会わなかった。十文字峠に15時40分、到着。5年ぶりだが、小屋の周りはお花畑であり、かもしか展望台への遊歩道もシャクナゲロードであった。夕食付きで十文字小屋に泊まる。同宿者は単独行の2名であった。

アズマシャクナゲに囲まれる十文字小屋」

「小屋の夕食」

 27日、4時半に出発。3連の鎖場を登ると、シャクナゲに彩られた大山に到着。両神山の右手から昇った太陽はすでに高い。目の前の三宝山はでかく、遠い。武信白岩は登頂禁止になっている。鎖場を登ったピークから振り返る武信白岩は立派だ。中間地点の尻岩に7時40分、到着。なんと、毛木平から登ってきたハイカーに追い越された。待望の三宝山到着は9時10分。展望はないが、いい雰囲気の埼玉県最高峰である。展望台の三宝石への入口はわからず、甲武信岳へ向かう。途中から見る甲武信岳は富士隠しになっている。10時、ハイカーで賑わう甲武信岳の山頂を踏む。富士も雲から頭を出した。三宝石も確認できた。

「大山から見る三宝山

「武信白岩」

三宝山の下りから見る甲武信岳。真後ろに富士山がある。」

甲武信岳から見る三宝山三宝石」

 甲武信岳は、1995年のヌク沢左俣、96年の東沢釜ノ沢、99年の入川真ノ沢、2008年の梓川を遡行後にも登頂しているが、もう甲武信岳に来ることはないだろう。目の前の国師岳はいつ見てもでかい。この景色をしっかりと目に焼き付け、帰りは千曲川源流遊歩道を下る。途中の沢を渡り返すところが左岸を高巻く道に変えられている。疲れもあり、年齢的なこともあり、道のりが長く感じられる。14時過ぎ、毛木平に戻った。梓山への車道を歩きかけると、静岡からシャクナゲを見に来た方にピックアップされた。1泊2日の2000m超えの山は久々であり、充実した山行であった。