山人ノマドの活動報告

東京都山岳連盟加盟の山岳会、山人ノマドのブログです。会員の山行記録、会の行事などを紹介していきます。

霧の中、紅葉がはじまる飯豊山に -雨の予報にせかされながら-

 

9月15日~17日

W田(L)、あきちゃん(写真)、Tera(記)

 

   15日の10時30分に上石神井駅で2人に合流し、車で飯豊山の福島側入り口である川入へと東北道を進む。川入の民宿の村杉荘に泊まるが、その夜の客は我々だけである。おいしい夕食をいただきつつ、ビール、日本酒、ワイン、ハイボールとアルコールのピッチはあがる。

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民宿ならでは郷土料理

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福島郷土料理 こづゆ

    16日6時、宿の車で下南沢の作業道入口まで送ってもらう。これで当初予定の御沢野営場からの登りに比べて1時間短縮できた。とはいえ昨夜のアルコールの影響で、横峰小屋跡分岐までの急登はつらく、歩みは遅くなる。その分岐から地蔵山分岐まではほぼトラバース気味の行程だ。このあたりからアルコールも抜けつつあるのか足どりも快調になる。地蔵山分岐手前の水場の水は冷たく、とても美味しい。

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1時間短縮できた作業道入口(周辺道路は駐車禁止)

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合流点で休憩

 

さらに進んで樹林帯が切れるあたりから、三国岳に続く尾根が霧の中にあらわれてきた。この先の尾根は「剣が峰」と呼ばれる岩稜帯となる。両サイドが切れている個所を慎重にルートを選び、鎖にも助けられながら越えていく。

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最後に岩場に「手」と表示されている岩のフレークを掴んで体をあげればすぐに三国小屋となる。

ここからは稜線歩きだ。右側は夏には様々な花が見られる思われるお花畑の斜面が続く。今回はわずかにタカネマツムシソウ、マルバコゴメグサ、ミヤマキンバイ、イワカガミなどを見ることができた。種蒔山を越えると霧も晴れ、前方には黄色く色づき始めた草原の緩やかな斜面が見える。まわりのナナカマドノ赤い実がアクセントの彩りを添える。

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峰をいくつか越えながら登って行くと急に視界が開けた。

左上側に切合小屋が見えてきた。

 

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切合小屋

 

切合小屋でまで6時間で来た。小屋の前の水槽にはたっぷりと水が汲みあげられていた。宿泊手続きを済ませると小屋番さんから「明日は雨だから今日頂上まで行った方がよい」とのアドバイスを受けた。そこでザックに雨具などだけを入れて急いで頂上へ向かう。広々とした斜面を登り、小さなピークを越え、「姥権現」(女性の石像が据えてある)、「御秘所」と呼ばれる岩場を越えると、前方に大きな山がそびえたつように見える。

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そこを登りきったところが本山小屋だ。小屋の脇にある飯豊神社に詣でた後に、ほぼ西側へ平行にたどって行くと飯豊山の頂上に到着する。

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本山小屋 立っているのは小屋番さん。

 

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小屋を出ると飯豊山頂が見える。一瞬芸だった。

 

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頂上にて記念撮影。お疲れ様。

 

あいにく霧でまわりは何もみえない。記念写真を撮って早々に切合小屋に戻る。合計10時間ほどの行動時間だった。持ち上げたビールで乾杯したあとに、夕食のカレーライスを2皿食べる(食べ放題とのこと)。米3合を持ってくると宿泊料は1000円安くなるという。

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切合小屋名物 魚肉ソーセージ入カレー 食べ放題です。今までの最高記録8杯

 

    17日、夜中に雨が降ったものの朝方には止んでいた。朝食の卵かけご飯を食べて6時ごろにのんびりと下山を開始。生卵がダメな人にはさんまの缶詰でした。

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三国小屋が見えてきました。右に降りると弥平四朗方面、我々は左に下ります。

 

三国小屋に泊まる予定だったので、小屋番さんにキャンセルの詫びを述べて、「剣が峰」を慎重にくだる。地蔵山分岐を過ぎた水場で水を汲み、横峰小屋跡の広場でコーヒーを入れて一息入れる。その後はブナ林の長坂をゆっくりと下って、御沢野営場にたどり着いた。前日にこの野営場に車を移動させておいたので、そこから車で「いいでの湯」に向かい、汗を流した。

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川入周辺は一面の蕎麦畑が続く。蕎麦、美味!

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喜多方ラーメン 並んで食べました。

 

飯豊連峰は山域が広く、また東京からは交通の便が悪いので、計画を立てにくい。しかし今回二人からの誘いがあったことで、飯豊連峰の山々の一端を楽しむことができた。また機会があれば、別の時期に別のルートからも歩いてみたいものだ。

 

w田

結局1日早く降りてきたので、帰りは連休最後の大渋滞に引っかかってしまった。東北道も真っ赤になっていて、そこらじゅうで事故が多発していた。

天候があまり良くなかったせいか登山者も少なめで、避難小屋は快適でした。山は夏と秋の境目、残っている高山植物と色づき始めた紅葉を両方楽しめたのも良かった。飯豊連峰は深くて大きな山域でした。疲れたけど良い山でした。今度は3泊4日位で胎内まで縦走してみたいです。同行のT島さんN川さんお疲れ様でした。楽しい山旅でした。

 

 

 

 

ナメ滝が最後まであり遡行をあきさせない-中川川モロクボ沢-

2018年9月9日 Tera(L 記) Y井

 

 鳳凰三山の山行を台風の接近で中止した代わりに、近場のところでの沢登りということで丹沢のモロクボ沢にいくことにした。

 新松田からのバスには4~5人しか乗車していなかったが、ビジターセンター前にはたくさんの登山者がいた。

 10時ごろ白石沢青少年キャンプ場跡地に着き、いくつかの堰堤を越えた地点から入渓した。遡行するとすぐに30メートルの大滝に出合う。しばらく眺めてから右岸のガレを登り、途中で右へトラバースしていく。残置のロープも使って滝上に出る。ここは慎重さが求められた。そのあとすぐに小滝を3つほど乗り越え、ナメ滝もあらわれるが、中流域はゴーロ帯が続く。

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(30メートルの大滝は登れない)      (大滝を越えてからの続くナメ滝)

 水晶谷を右にわけ、ナメ滝・小滝を越えていくとほぼ水量が同じぐらいの二俣があらわれる。ここは左手を進む。さらに行くとまた二俣があらわれる。右手が本流とのことだが、下山時間も考えて左側に進む。ここからはナメが続く。この間の大雨の影響もあってか水量は途切れない。水の流れに足を浸らせながら軽快に進む。

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(奥の二股付近、左手の沢を進む)  (奥の二股以降も水量は途切れずナメが続く)

 水の湧き出し地点を過ぎてからしばらくすると狭まった急なルンゼとなり、登ることはできない。そこで右側の尾根にとりつく。足場は悪く、木の根っこを掴みつつ高度をあげていく。やがて勾配がゆるやかになり、尾根を越えると登山道に飛び出した。13時であり、遡行開始から3時間ほどで抜けたことになる。

 ここから畦が丸のピークは踏まずに、ビジターセンターにむけて下山する。途中から沢沿いの道を進む。本棚沢、下棚沢などが合流するあたりから、沢にかかる橋は崩壊している。最近の台風・大雨の結果なのか…。そのため何度も徒渉を強いられた。石伝いに渡ったりしたが、それができない個所は、登山靴のまま沢の中に入って反対側に出た。

 ビジターセンターには15時に戻ることができたが、モロクボ沢の最初と後半、そして下山路にと、いろいろ楽しむことができた1日だった。

北沢峠から仙丈ヶ岳へ(2018.08.26~27)

 メンバ:O田(L)記、W田

ルート:北沢峠(長衛小屋キャンプ場)~小仙丈ヶ岳仙丈ヶ岳~馬ノ背ヒュッテ~

    大滝ノ頭~北沢峠

 

北沢峠のキャンプ場はとても快適!

仙丈ヶ岳ピストンは文句なしの晴天!

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1週間の夏休みを取ったのに、まさかの「山に行けないかも?」の危機に陥った。

8月の終わりに計画した折立から室堂へ抜ける、北アルプス薬師岳3泊4日の縦走。

しかし、直撃こそしなかったものの台風の影響で富山方面の天候回復の兆しはなく、出発前日に泣く泣く中止を決めた。

 

有り余る縦走用のアルファ米と乾燥食材。

ボッカ訓練も事前に行ったのにと、出てくるのは恨み節ばかり。

槍穂も谷川も天気が望めず意気消沈していたところ、薬師同行の予定だったW田さんから北沢峠定着で仙丈ヶ岳ピストンの提案あり。

そりゃもう乗るしかないでしょう!と二つ返事で南アルプスへ向かった。

 

戸台の仙流荘駐車場にW田車を停めて村営バスで北沢峠へ。

14時20分の最終バスを予定していたが、その前に臨時便が出たのでラッキー。

北沢峠(標高2030m)でバスを降りたら、下界の暑さがすっと抜けた。

 

長衛小屋のキャンプ場(1人1泊500円)は水が豊富で靴のまま入れるトイレも近くにある。とても快適でなかなかの賑わい。

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W田さんが夕飯を準備してくれるというお言葉に甘えて、御相伴に預かる。

豪華メニューに前週までの疲れも吹っ飛んだ。

 

ゴーヤとツナのマヨネーズ炒め

エリンギのガーリックバター炒め

茹でオクラ

ビーフステーキ

野菜たっぷり冷やしうどん

ご馳走様でした。おいしかったです。

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久々の天場には個人テントが多く、4~5天は数張り見た程度。

7時半過ぎに就寝したが宴会で騒いでいるテントも見かけず少々驚く。

真夜中に空を見上げたところ満月。月明かりだけで十分明るかった。

 

翌朝は4時半過ぎに出発。

明るくなるまでヘッデンで歩く。

薬師では16キロくらい背負って歩く予定だったが、空身で仙丈ヶ岳へピストン。

ルートはわかりやすく整備されている。

木の階段が少ないからうれしい。

 

北岳が見える。もう明るい。f:id:yamanomad:20180827053401j:plain

 

大滝ノ頭。空身なのでまぁまぁのペースか。f:id:yamanomad:20180827060108j:plain

 

仙丈ヶ岳が見えてきた。f:id:yamanomad:20180827061953j:plain

 

富士山が見える。

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仙丈ヶ岳到着。

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頂上に向けてさくさく歩くW田さん。f:id:yamanomad:20180827070713j:plain

 

頂上間近で佇むW田さん。

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無事頂上着(7時50分)!

そこそこの人出。

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仙丈ヶ岳頂上から見える山々の絶景。富山方面は曇り。

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下山は馬の背ヒュッテと仙丈藪沢小屋経由で。

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平日のせいか、小屋泊まりらしい中高年の団体が遅めの時間に続々と登ってくる。

南アルプスらしい風景を楽しみながら下る。

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11時に天場に戻る。f:id:yamanomad:20180827110024j:plain

 

夏山Joyで気分は最高だった!

帰路も28人集まれば村営バスの臨時便が出たため、予想より早めに仙流荘へ戻る。

仙流荘のお風呂で汗を流して家路に着いた。

 

W田さん、

この夏は谷川も薬師も予定が潰れましたが、楽しい南アの山行をありがとうございました!

 

おまけ編:

この夏の薬師縦走用にと個人テントを調達した。

ヘリテイジ HI-REVO 軽さ(0.96kgペグ除く)と小ささが購入の決め手。

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以下、感想。

素材が薄いので破らないようヒヤヒヤしながら設営。

居住性はOK。

テント本体に防水性はないので、フライと接触していた本体内側部分が朝露で濡れていた。

稜線上での風雨に耐えられるのか試してみないと。

手持ちのツェルト並みの重さと大きさは魅力。

 

w田記

O田さんお疲れ様でした。北沢峠は快適でもっとゆっくりして甲斐駒も登ればよかったかなと・・・・

O田さんのテントは軽くて快適そうでした。私のアマゾンで買った9000円テントは、本体はほとんど蚊帳です。フライで雨をしのぐ形式、夏山の晴天時しか使えない感じでした。

好天で最高の登山日和でした。仙丈岳の頂上から見た北アルプス方面は雲に覆われていました。薬師縦走も好天なら重い荷物でも何とか頑張れると思います。来年はリベンジしたいですね。北沢峠のキャンプ場なら3日間くらいの滞在でもご馳走を提供できる自信はありますよ。