7月8日(車中前泊)9日~10日 N川(記)・F森
鳳凰山という山はなく、
以下3つの山の総称として鳳凰三山と呼ばれる。
薬師岳 2780m
一番行きたかったコースは、夜叉神から鳳凰三山を歩き
広河原にで、そこからバスで夜叉神に戻るコース。
残念ながら、その途中にある薬師小屋が立て替え中のため、
3つのピークに立ち、
中道コースで再び青木鉱泉に戻る周回コースとした。
土日ではなく、日月であったためか、
日曜日の登りでは下山してくるグループと
日帰りする若い人たちと出くわすが、
月曜は静かな南アルプスをほぼ独り占めできた。
ドンドコ沢は、標高1,150mの青木鉱泉から2,400mの
鳳凰小屋まで、約1,250mの高低差を登り、
コースタイムもしっかり6時間ある。
また4つの名瀑を巡りながら登ることができる急登ルートでもある。
一つ目の滝「南精進ヶ滝」は、長さ水量とも素晴らしく
しばしマイナスイオンをたっぷりと浴びることに。
そこから先は、鳳凰滝、白糸滝と進むが
木の根がはえ、登る一歩もかなり高低差があり、
なかなかのしんどい急登が続く。
さらに小1時間、「五色滝」を越えたあたりから
南精進ヶ滝
鳳凰滝
花崗岩の白い山肌になるが、
小屋から樹林帯を抜けると、砂地にでる。
すぐそこにオベリスクが見えるが
急登の砂地ではなかなか足元の踏ん張りもきかず
じぐざぐと進みオベリスク直下へ。
オベリスクに登るための裏側にかかるロープが近年取り外され、
オベリスク頂上には立てない。
記録上、このオベリスクの最初に登ったのは
ウォルター・ウエストン、1904年。
オベリスクへ続く砂地
お地蔵様が沢山並ぶ賽の河原を経由し、
鳳凰小屋へ戻る。
賽の河原は、昔、子宝に恵まれなかった夫婦が
お地蔵様一つを借りて下山し、
子宝に恵まれたら、借りたお地蔵様と
お礼のお地蔵様2つを持って元に戻る習わしがあったとか。
太鼓をドンドコ叩きながら登ったことから
ドンドコ沢の名前がついたという説もある。
日曜日、鳳凰小屋に宿泊したのは11名。
うち6名は台湾からの登山者で
12日間かけて南アルプスを縦走するらしい。
テントは12張りほどあった。
鳳凰小屋の夕食はカレー。素朴な味。
東京は酷暑だが、小屋のこたつには火がはいっていた。
鳳凰小屋
鳳凰小屋の夕食はカレー
珍しいキバナノアツモリソウ
7月10日・月曜日
3時起床、4時20出発。
1時間ほどで稜線。
白い砂地も眼下の雲海も、昇ったばかりの朝日でオレンジ色に。
歩く右手には仙丈ヶ岳、北岳、間ノ岳、農鳥岳、奥に塩見岳、荒川岳。
進む先に遠く富士が雲海に浮き、遮るものがない360度の絶景が続く。
稜線漫歩
観音岳山頂の岳人
影と握手
盆栽好きな私には、
どの樹木も、過酷な環境に耐え白骨化し、
盆栽で使われる真柏という木として、
どれもこれも我が家まで持ち帰りたいものばかり。
白い砂地に、緑の樹木、青い空、絶妙な間隔で鎮座する巨石。
人の手が感じられない南アルプスらしい天空の庭園が続く。
天空の庭園
高低差1700m 、樹林帯の中にはいるため眺望もなく、
ひたすら下りなけれならない長いルート。
薬師岳から約4時間かけて下山。
青木鉱泉でお風呂に入り、帰京。
南アルプス、果てしない時間をかけて隆起した山塊は
3000m級の高峰、長大な尾根と大展望が続く。
これほど岳人の心を揺さぶるものはないのではないかと、、、
あらためて、思った。